ここのところ,続けて後見制度支援信託についての相談を受けました。
それって,なあに?という人も多いですよね。
認知症などで,判断能力が低下した人は,預貯金を下したり,保険金を受け取ったりすることができなくなり,後見人等を選任することが必要となってきます。
この成年後見制度を利用する場合,東京では,預貯金などが500万円以上あると,後見制度支援信託の利用を勧められます。
若干の手元金を残して,預貯金の大部分を信託銀行に預ける,という制度です。
状況が変わって,信託銀行に預けたお金を使うことが必要になった場合には,家庭裁判所に報告して,指示書をもらってからでないと信託銀行から払い戻しを受けられないシステムになっています。
成年後見人の不祥事,つまり横領が時折マスコミで報道されます。ほとんどの成年後見人は親族も第3者も真面目にご本人のために後見人としての義務を遂行しているのですが,時折不祥事があります。
この不祥事を防止するために考えられたのが後見制度支援信託なのです。
本人は考えもしなかった信託銀行への預貯金の預け入れは,何だか本人に悪いような気がするのですが,横領されるよりはいいでしょ!と言われれば,それに違いありません。
でも,現状では,年間千件以上が,この制度を利用しています。
もっと違う制度ができないのか,知恵を絞っているところですが,銀行などの金融機関も協力して,知恵を貸してくれないかと切に思っています。