今回は、訪問販売とクーリングオフについてです。
1 訪問販売の問題点
突然、訪ねてきたセールスマンから、勧められるままに羽毛布団を買ってしまった。昨年も買ったばかりで、必要なかったので、返品したいのだけど…。
訪問販売は、自分が買おうと思っていたわけでもないのに、突然、セールスマンがやってきて、購入を勧められます。消費者は、商品に対する知識が無くセールスマンの説明を鵜呑みにしがちですし、業者のペースで話が進められ、断りにくく、ついつい契約をしてしまう、ということがよくあります。
また、一度契約をすると、その名簿が業者の間で出回って、何度も訪問販売業者がやってくるという悪質なケースもあります。
2 クーリングオフで、即、解約できます
ついついセールストークに乗せられて、買ってしまうということも多いため、クーリングオフ制度が定められています。
「クーリングオフ」とは、頭を冷やして、冷静になって考えなおす、そして解約したいと思えば、解約できる、という制度です。
思い直して解約したかったらできる、というもので、それ以上の理由は必要ありません。
3 クーリングオフの期間 ~起算日に要注意!
8日間ですが、起算日は、契約の内容を記載して明らかにした書面が渡された日から数えます。この書面には、代金の額や支払い方法、商品の引渡し時期、売主である事業者の名称や住所・電話番号、担当者名、さらに、商品の名前、製造者、型式、数量など、契約の内容が明らかにされている必要があります。
さらに、クーリングオフできることについても、赤枠の中に赤字で、8ポイント以上の字で書かれていることが必要です。
このように、この契約書面は、厳しい基準があり、その基準を充たしていなければなりません。
基準を充たしていない書面では、「書面を交付した」ことになりませんので、いつまででも、クーリングオフできるということになります。
4 クーリングオフできる商品
以前は、クーリングオフできる商品が政令で決まっていました。しかし、2008年の改正で、ほとんどの商品について、クーリングオフが認められることとなりました。新聞・呉服・ 屋根工事なども、クーリングオフできます。
できないのは、健康食品、化粧品、せっけんなどの一部の指定されている消耗品です。
但し、これらの消耗品も使ってしまった場合に、使った分についてだけ、クーリングオフできないだけです。また、契約書面に、「使用するとクーリングオフできない」との記載があることが条件になっています。
5 クーリングオフは書面を出して行います
配達証明付き内容証明郵便で行うのが一番確実です。
書面を、期間内に発信すればよく、業者に届くのは、8日以後でも構 いません。消印が重要ということになります。
6 クーリングオフの後の清算
クーリングオフした場合には、事業者は、一切の金銭請求をすることはできないとされています。キャンセル料もかかりません。受け取った商品は返さなければなりませんが、その費用は、事業者の負担とされています。また、使用済みでも、そのまま返せばいいことになっています。
7 このようにクーリングオフ制度は、消費者の強い味方です
また、契約から8日間過ぎても、契約書面で不備があるなどの事情で、クーリングオフできる場合があります。
あきらめないで、消費生活センターや弁護士にご相談ください。