「個人情報」2008年冬号

 今回は、個人情報です。

 1 個人情報保護法の成立~個人情報って?

(1)「個人情報」という言葉を、最近よく耳にします。
5-1
 個人情報保護法が成立し、平成17年4月1日から、全面施行されています。個人情報の取扱は、一層慎重さを要するようになっています。
 個人情報保護法に言う「個人情報」とは、要するに、特定の個人が識別できる情報とされています。また、生存する個人に関する情報に限られました。
5-2(2)住所、氏名、生年月日などは、個人の基本的な情報です。
 さらに、病歴、学歴、前科前歴、年収、所有不動産、嗜好、趣味、人種、思想・信条などは、センシティブ情報と言われます。
 個人情報保護法上は、センシティブ情報か否かによる区別はありませんが、実際に情報漏洩などの事故が発生し、損害賠償を請求されるというケースを想定すれば、5-3賠償額には差が出てきます。従って、センシティブ情報には、一層慎重な取り扱いが望まれます。

 2 個人情報保護法の対象

(1)個人情報保護法の対象となる個人情報取扱業者とは、情報を保有している個人の数が5000人を超える業者です。

 注意を要するのは、一人の情報の中に、その人の家族、知人などの情報(名前と住所などだけでも)が、入っていれば、その人の情報も保有していることになることです。また、現在は使用していなくても、破棄しておらず、情報として保有していれば、数に入ります。
 業種についても、特に制限は無く、ボランティアなど営利を目的としていなくても、対象となります。
 また、コンピューター管理されている情報に限ると言うこともありません。
(2)プライバシー侵害
 個人情報取扱業者に該当しなければ、個人情報保護法上の義務は課せられません。
 しかし、プライバシーを尊重してほしいという意識は、年々高まっており、個人情報取扱業者ではなくても、取扱を誤ると、プライバシーを侵害したとして、民事上、責任を問われることは、十分にあり得えます。
 従って個人情報保護法の定める義務の基本原則を踏まえた取扱に努めることは、誰にとっても重要な時代になったと言うべきでしょう。5-4

3 基本原則について

(1)利用目的による制限  何のために個人情報を取得し何のために利用するのかを明確にし、その目的の達成に必要な範囲内で取り扱うこと。「目的」も「できる限り特定」することが必要です。
(2)適正な取得 適法かつ適正な方法で取得すること。
(3)正確性の確保 情報を正確、最新の内容に保つこと。
(4)安全性の確保 情報が漏洩したり、滅失、毀損したりしないで管理されるよう配慮すること。
(5)透明性の確保 本人が適切に関与し得るよう配慮すること。

4 個人情報の範囲と社会的合意5-5

 昨今、社会全体が「個人情報」の取扱に過敏になり、行き過ぎと思えるケースもあります。
 例えば、学校でクラス名簿が作られない、あるいは、電話番号だけで住所は記載しない、というのも、最近よくあるケースです。
 確かに、学校の名簿が、名簿業者などに売られ、必要ない商品のダイレクトメールや勧誘電話に悩まされるなど、弊害が無いとは言い切れません。
 また、前述のごとく個人情報保護法では、個人識別情報を全て「個人情報」としたところから、住所・氏名・電話番号など全てが、保護されるべき個人情報となっています。しかし、同じクラスで学ぶ子ども同士の情報まで制限されるのは行き過ぎだと言う意見も多くあるところです。
 こうした問題は、人によって、感じ方も意見も異なるところであり、難しい面もあります。個人情報・プライバシーの保護はいかにあるべきか、社会全体で議論が必要な時代になったと言えます。5-6